猫のすぐれた記憶量の嗅覚
猫の嗅覚は聴覚の次に発達しています。特に優れているのは、嗅ぎ取る能力ではなくて嗅ぎ分ける能力になります。猫は食べて安全なものかどうかをにおいを嗅ぎ分けることで判断していると言われています。
生まれたての子猫はまだ目がみえないので、とても敏感な嗅覚で母猫の乳首を探り当てています。
猫が鼻を近づけてにおいを嗅ぐ理由
生き物は鼻の奥にある嗅覚受容体(きゅうかくじゅようたい)というセンサーを組み合わせて、においを嗅ぎ分けているといわれています。
犬などは鼻が長い為に嗅覚受容体のセンサーの感度が良く、大きく空気を吸い込むことでにおいの判別をしています。猫の場合は鼻腔が小さいので、空気を多く吸い込むことができません。その為、自分の鼻先に対象物をくっつけるようにしてにおいを嗅いで判別しています。
においをよりよく嗅ぐ為の能力
におい分子は湿ったものに吸着しやすいので、健康な猫の鼻は適度に湿っています。その為、風向きや温度差を感知しやすくなっているといわれています。
睡眠中は猫の鼻の表面が乾いていることが多いそうです。
においで判別する事柄
食べ物がどんなタンパク質で構成されているかや安全かどうかをにおいで判断しています。
臭腺から発するにおいで、においの主や性別・年齢・においの新旧まで感じ取る事が可能だといわれています。
自分の縄張りもにおいで判断しています。猫は自分の縄張りに糞をしたり、足の裏から出る汗や体の臭腺から出るにおいを自分の縄張りの場所につけます。においを嗅いで他の猫のにおいがした場合は自分の体のにおいをつけなおして自分の縄張りを主張しています。
猫は食べ物の熱いか冷たいかの判断を舌ではなく鼻で測っているようです。
飼い主に頭や体をこすりつけるのは、自分のにおいをつける事で独占しようとしているようです。
その他の器官のにおいの判別方法
猫には、鼻とは別にヤコブソン器官と呼ばれる嗅覚組織も発達しています。性フェロモンやマタタビなどのにおいを嗅ぐときに、舌の上ににおいを乗せ、上あごのヤコブソン器官を使って、口の中でにおいを感知しているといわれています。
猫の鼻紋
猫の鼻には、人間の指紋にあたる鼻紋があり、指紋同様に猫それぞれ異なる鼻紋をもっています。猫によって大小や鼻孔の大きさや形が異なります。
フレーメン反応
猫がにおいを嗅いだ後に、口を半開きにして笑ったような表情をする事があります。これをフレーメン反応と呼んでいます。
口内の上顎にあるヤコブソン器官で、主に性フェロモンの成分を感じ取るときに、口を開けてより多くのにおいを取り込んでいる仕草です。
一般的に飼い主さんの靴下をかいで、フレーメン反応の変顔をみる事が多いそうです。
猫以外にも馬・牛・山羊・ライオンも表情は違いますが、フレーメン反応をします。
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