海外でも対策が検討されている「ヒアリ」
ヒアリは漢字で火蟻と表され、お尻に毒針があり、刺されると火傷のような激しい痛みが生じます。毒性が強く、毒針で刺されるとアレルギー反応により死に至る可能性が有る為に、世界各地で大きな問題となっているようです。
人体への被害等を及ぼすことから、「特定外来生物」に指定されています。刺されると、アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、水疱上に腫れることもあります。
毒に対してアレルギー反応を引き起こし、北米だけでも年間で1500件近く発症しているとの報告があります。
刺された時の症状
ヒアリに刺された時の反応は人によって大きく異なります。
ヒアリの毒にはアルカロイド毒であるソレノプシンのほか、ハチ毒との共通成分であるホスホリパーゼやヒアルロニダーゼなどが含まれます。その為、ヒアリに刺された経験がなくてもハチ毒アレルギーを持つ方は特に注意が必要です。
軽度
刺された瞬間は熱いと感じるような激しい痛みが走ります。やがて、刺された痕がかゆくなり、10時間ほど経過すると膿ができます。
中度
刺されて数分から数十分後には刺された部分を中心に腫れが広がり、部分的、又は全身にかゆみを伴うじんましんが現れる事もあるようです。
重度
刺されて数分から数十分の間に息苦しさ、声がかれ、激しい動悸やめまいなどを起こすことがあり、進行すると意識を失う事もあります。これらの症状が出た場合には重度の即時型のアレルギー反応「アナフィラキシー」である可能性が高く、処置が遅れると生命の危険も伴います。
被害を受けた場合の対処法
刺された直後、20分~30分程度安静にして体調の変化がないか注意します。
症状が悪化しない場合にも、病院で受診してもらいましょう。
症状が悪化した場合は、一番近い病院に受診して、アリに刺されたこと、アナフィラキシーの可能性があることを伝え、すぐに治療してもいましょう。
原産地
原産地は南アメリカの中部ですが、現在では北米をはじめ環太平洋諸国のほか、中国・台湾・フィリピン・オーストラリアなどに定着しています。
体の特徴
体長は、2.5ミリ~6ミリ程度で大小さまざまな働きアリが混在します。全体的に赤茶色で、腹部は濃い赤色で黒っぽく見えます。お尻に毒針があり、積極的に刺す傾向があるようですが、腹部先端の毒針は飛び出してなく見えない事もあるので注意が必要です。
ヒアリの性格
極めて攻撃的で、節足動物の他爬虫類、小型哺乳類を集団で攻撃して捕食することで知られています。雑食性で、花蜜、種子も食べているようです。
ヒアリの巣の特徴
通常ヒアリの巣は平均直径25~60センチ、高さ15~50センチで土でドーム状に作られています。
農耕地や公園など、開放的な草地・裸地で巣が作られる事が多く、巣の大きさは最大で90センチ、深さ180センチにまでなると言われています。
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